LEDビジョンにおけるCOB(Chip On Board)、SMD(Surface Mounted Device)、およびGOB(Glue On Board)は、それぞれ異なる技術を採用しており、それぞれが特定の用途や条件に適しています。以下では、それぞれの技術の基本構造、特徴、利点、欠点、適用範囲を詳しく解説し、比較します。


1. COB(Chip On Board)技術

概要

COBは「Chip On Board」の略で、LEDチップを基板上に直接実装する技術です。この方法では、複数の小型LEDチップを一つの基板に密接に配置し、それを一つの発光ユニットとして利用します。LEDチップは封止材で覆われ、保護されるとともに発光効率が向上します。

特徴

  1. 高密度実装
    小型チップを密集させることで、LEDビジョンの解像度と輝度が向上します。
  2. 優れた熱管理性能
    基板に直接実装されるため、熱を効率的に放散できます。
  3. 広視野角
    チップの小型化と一体化により、視野角が広がり、均一な発光を実現します。

利点

  • 高い信頼性
    チップが密閉されているため、防水性や防塵性が高く、耐久性に優れます。
  • 優れた発光効率
    無駄な光の拡散を抑え、明るいディスプレイが可能です。
  • 軽量・コンパクト
    SMDに比べて軽量で、薄型設計が可能です。

欠点

  • 製造コストが高い
    高密度実装には高精度な技術と設備が必要で、初期コストが増加します。
  • 修理の困難さ
    チップが直接基板に取り付けられているため、故障時の修理が難しいです。

適用範囲

  • 屋内および屋外の高解像度LEDビジョン
  • 小型ディスプレイやウェアラブルデバイス

2. SMD(Surface Mounted Device)技術

概要

SMDは「Surface Mounted Device」の略で、LEDチップをパッケージ化し、それを基板に表面実装する技術です。1つのパッケージにRGB(赤・緑・青)の3つのチップを収めているため、カラーディスプレイに適しています。

特徴

  1. 標準化された構造
    各パッケージが規格化されているため、大量生産が可能です。
  2. 柔軟な設計
    パッケージサイズや基板レイアウトを変更することで、多様な用途に対応できます。
  3. 比較的低コスト
    COBに比べて製造コストが低く、広く普及しています。

利点

  • メンテナンスの容易さ
    パッケージ単位で交換可能なため、修理やメンテナンスが簡単です。
  • 普及率の高さ
    SMDは市場で最も一般的な技術であり、部品調達が容易です。
  • コストパフォーマンス
    性能とコストのバランスが取れているため、大型ディスプレイに最適です。

欠点

  • 熱管理が課題
    チップがパッケージに収められているため、熱放散性能がCOBに比べて劣ります。
  • 視野角が狭い
    パッケージの形状によって視野角が制限される場合があります。
  • ピッチの限界
    超高解像度を実現する場合、チップ間の距離を縮めるのが難しいです。

適用範囲

  • 大型屋外ディスプレイ(広告、イベント用)
  • 一般的な屋内スクリーン(会議、商業施設)

3. GOB(Glue On Board)技術

概要

GOBは「Glue On Board」の略で、SMD技術を基盤にして、防護層として特殊な接着剤(透明な樹脂)を使用する技術です。この防護層がSMDチップを完全に覆い、物理的な耐久性や環境耐性を向上させます。

特徴

  1. 高い耐環境性
    防水性、防塵性、衝撃耐性が向上し、屋外用途に適しています。
  2. 保護層による視覚効果
    光の反射や散乱を抑え、鮮明な画像表示を実現します。
  3. 既存技術との互換性
    SMDベースであるため、既存の製造プロセスを活用できます。

利点

  • 強化された耐久性
    保護層により、外部からのダメージを最小限に抑えます。
  • 屋外用途への適性
    厳しい環境条件でも安定して動作します。
  • 既存の利点を保持
    SMD技術の柔軟性やコスト効率を維持します。

欠点

  • 透明層による発熱問題
    樹脂層が熱放散を妨げることがあり、過熱の可能性があります。
  • 生産コストの上昇
    樹脂の追加処理が必要なため、SMD単独よりも製造コストが高くなります。
  • 視覚的な影響
    樹脂層の厚さや透明度により、色再現性や輝度が若干変化することがあります。

適用範囲

  • 屋外ディスプレイ(広告用ビルボード)
  • 耐久性が求められる特殊用途(防犯カメラシステム、軍用機器)

4. 技術の比較

特性COBSMDGOB
密度高密度中密度中密度
耐久性非常に高い中程度非常に高い
視野角広い標準広い
コスト高い低い中程度
修理の容易さ難しい容易中程度
熱管理性能優れているやや劣る樹脂の影響で変動
用途高解像度、小型表示大型表示、汎用用途厳しい環境下の表示用途

5. 結論と選択ガイド

選択のポイント

  • COB
    高密度で高解像度が必要な場合に最適。例:高級ディスプレイやウェアラブルデバイス。
  • SMD
    コストパフォーマンスが重要な場合に最適。例:広告用大型ディスプレイや会議室スクリーン。
  • GOB
    厳しい環境条件で使用される場合に最適。例:屋外ビルボード、防水が必要な設置場所。

技術の選択は、用途、予算、耐久性、解像度要件などを総合的に考慮する必要があります。それぞれの技術には長所と短所があるため、特定の条件や要件に応じて最適な選択を行うことが重要です。
LEDUSVisionではそれぞれの環境やお客様のご満足いただける以上のご提案を致します。

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