通信環境の見える化を
弊社では、液晶デジタルサイネージの修理や点検を行う際、Wi-Fi通信に起因するトラブルの切り分けを非常に重視しており、スマートフォンのWi-Fi解析アプリを積極的に活用しています。デジタルサイネージの通信不具合というと、「本体の故障」を疑われがちですが、実際には電波強度の不足、周囲のWi-Fiとのチャンネル干渉、設置環境による電波減衰など、通信環境や通信設定が原因となっているケースが多く見受けられます。
そのため現場ではまず、スマートフォンのWi-Fi解析アプリを使って、電波の強さ、使用されているチャンネル、周囲のWi-Fi混雑状況などを可視化し、通信環境を客観的に確認します。これにより、「機器側の問題なのか」「ネットワーク環境側の問題なのか」を切り分けることができ、早期復旧につなげることが可能になります。

Wi-Fi解析アプリの使用例です。
また、使用しているWi-Fiの周波数帯(2.4GHz / 5GHz)や認証方式(WPA2など)、アクセスポイントの設定内容を把握することも重要なポイントです。実際に、新しく設置された店舗用アクセスポイントがWPA2の認証であったものの、既設の液晶サイネージ側が非対応であったため、AP経由のWi-Fi接続を断念し、スマートフォン(WIFI)経由での運用に切り替えた事例もございます。
弊社のサイネージ製品には、Android制御基板を搭載したモデルが多くありますが、Wi-Fi設定の組み合わせによっては、「気付くとWi-Fiが自動的にOFFになってしまう」といった不具合が発生したこともありました。

このケースでは、システム設定からWi-Fi/Bluetoothのリセットを行っても改善せず、最終的にAndroid基板を工場出荷状態にリセットすることで、ようやく復旧に至りました。
ただし工場出荷状態にリセットを行うと、アプリの再インストールや各種設定、動作確認を一からやり直す必要があり、復旧後の作業負担は決して小さくありません。
OSは最新バージョンではない(コンテンツの再生が早いとメーカーからお勧め)のですが、Android OS側の判断で「有効な通信相手がいない」と判断され、意図せずWi-FiがOFFになる挙動については、現場としては悩ましい点です。
サイネージの安定稼働には、ハードウェアだけでなく、通信環境まで含めた総合的な診断が欠かせません。スマートフォンのWi-Fi解析アプリは、そのための有効なツールの一つであり、現場対応力の向上や、トラブルの解決に大きく役立っています。
デジタルサイネージの修理とアフターフォローの詳細はこちらです。
