紫外線対策の重要性について
紫外線がサイネージのLED素子に与える影響は、すぐに故障を引き起こすというよりも、長期間の曝露によって確実に性能を劣化させる要因として現れます。屋外設置や直射日光が当たる環境では、特に注意が必要です。
まず、LED素子そのものへの影響です。LEDチップは半導体で構成されており、紫外線によって即座に破壊されることは稀ですが、樹脂封止材や蛍光体は紫外線に弱い性質を持っています。紫外線を長期間浴びると、封止樹脂が黄変したり、透明度が低下したりすることで、光の透過率が下がります。その結果、発光量が徐々に低下し、「明るさが落ちた」「色がくすんだ」と感じる状態になります。

次に、色再現性への影響が挙げられます。白色LEDやフルカラーLEDは、青色LEDと蛍光体の組み合わせで色を作っていますが、紫外線はこの蛍光体を劣化させます。特に赤系の色は影響を受けやすく、長期使用によって色バランスが崩れ、画面全体に色ムラが発生するといった現象につながります。これは経年劣化として現れるため、初期不良とは異なり、徐々に進行します。さらに、LED周辺部材への影響も無視できません。モジュール表面のマスク、レンズ、シリコンカバー、接着剤などは紫外線によって硬化・ひび割れ・変色を起こしやすくなります。これにより、LEDの配光特性が変わったり、防水性能が低下したりすることで、結果的に素子の寿命を縮める原因になります。
また、紫外線は熱劣化を加速させる間接的要因にもなります。直射日光下では紫外線と可視光・赤外線が同時に当たり、筐体や基板温度が上昇します。高温状態が続くと、LED素子の光束維持率が低下し、ドライバー回路やはんだ接合部の劣化も早まります。つまり、紫外線単体というより、「紫外線+高温環境」の組み合わせが最も危険です。

紫外線によって樹脂封止材の防水性能が低下し腐食に至った状態
対策としては、屋外・半屋外サイネージではUVカット処理された保護カバーやアクリル板の使用、直射日光を避ける設置角度の工夫、十分な放熱設計が重要になります。

まとめ
紫外線はLED素子を即座に壊すものではありませんが、明るさ低下・色ズレ・部材劣化をじわじわ進行させる確実な劣化要因です。特に屋外サイネージでは、紫外線対策の有無が、数年後の表示品質と保守コストに大きな差を生みます。紫外線対策が重要なポイントとなります。
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